小麦市場

川越市から国道254号バイパスを数分。入間川と越辺川を渡る手前あたりに、イタリアンレストラン「小麦市場」はひっそり佇んでいる。2007年の開店以来、その名の通り小麦を使ったパスタやピザが人気を集めている店だ。
経営するのは川越市内にアジアンフレンチダイニングの「味市場」、古民家を改装した和食・寿司店「風凛」などの人気店をもつ会社。魚介類から野菜まで、素材の目利きに精通した社長が選び抜き、素材を共同で仕入れているため、ここ小麦市場でもフレッシュな野菜や魚介類を楽しむことができる。

食材は川越近郊のものを意識的に仕入れているということで、たとえば豚肉は川越ブランド「ミオ・カザロ」の黒豚やソーセージを、野菜は大宮の契約農家から仕入れる旬野菜などを多く用いている。これらの素材を調理するのはイタリアンに精通した若手のシェフ。熟練の目利きと若手のセンスが、この店の味の確かさと洗練されたサービスを支えている。
この店の魅力は料理だけではない。もうひとつの看板が「小江戸ビール」の存在だ。小江戸ビールは市内の協同商事が製造する地ビールで、小麦市場ではその一部醸造も担っている。「工場」兼「地ビールレストラン」というわけだ。

店内奥にはクラシカルなビール釜があり、季節限定で少量生産されるビールを仕込んでいる。イタリアンとビール、一見ちぐはぐな組み合わせに見えるが、小さめのグラスに注がれるビールは上質な存在感と味わいで、ワインに代わって料理の味を引き立ててくれるだろう。
小江戸ビールの缶は市内の酒屋等でも手に入るが、この店で味わえるのは生ビール。生ならではのフレッシュ感は、ビール通にはたまらない魅力である。小江戸ビールには「伽羅」「漆黒」「瑠璃」「白」「純赤」の5種のほか、季節限定のビールがある。写真左側はスタッフお薦めの「伽羅」で、ドイツ大使館の御用達の一品として納品されているものだという。

写真右側の「漆黒」は濃厚で飲み手を選ぶ味と風味だが、一度ハマればリピートせずにはいられない味ということだ。「純赤」はサツマイモベースの赤みがかったビール。川越らしいひと品でこれも興味深い。ちなみに、日本人が一般的に好む味は「瑠璃」ということだ。
ビールに合わせるソーセージなども各種揃えているので、グラスを片手に語らいの時間を楽しむのも良いかもしれない。ビールは各種250円からのミニグラスも用意されているので、飲み比べを楽しむのも良さそうだ。




